対等な交流であり額面どおりの「相互」交流といえるが、後者の場合、県におけるポストよりも1ランク上のポストに就くという意味で、相互交流というよりは、むしろ前節でみた職員派遣に近いものであるといえよう。ただし、前節の職員派遣があくまでも市町村の負担による派遣であるのに対して、県の負担である点は、より「相互」的な交流であるといえよう。
表9−7 山形、栃木、群馬県における相互交流制度
山形県 栃木県 群馬県 制度の開始 1987年度 1986年度 1979年度 派遣と受け入れの対応関係 県職員の派遣を受け入れる市町村から同人数の職員の派遣を県が受け入れる。ただし一方的な派遣も認める。 県職員の派遣を受け入れる市町村から同人数の職員の派遣を県が受け入れる。 派遣と受け入れの対応関係はない。 市町村職員の実務研修制度の有無 相互交流制度による市町村職員の県への受け入れが実務研修の機能を果たす。 相互交流制度と別に実務研修制度あり。 相互交流制度による市町村職員の県への受け入れが実務研修の機能を果たす。 96年度の実績 県職員→市町村 6人 6人 4人 市町村職員→県 20人 6人 44人 どの県の場合も、制度開始以来、この制度による県職員の派遣は着実に増えているようである。地方課では、市町村から希望があれば可能な限り応じていきたいとしており、実際にそのように対応しているようであるが、県の人事上の制約から希望に応じられないケースもあるという。
どの県の場合も、制度開始以来、この制度による県職員の派遣は着実に増えているようである。地方課では、市町村から希望があれば可能な限り応じていきたいとしており、実際にそのように対応しているようであるが、県の人事上の制約から希望に応じられないケースもあるという。
5.おわりに
今回の論稿をまとめるにあたって、市町村への派遣経験のある県職員と県での研修経験のある市町村職員それぞれ数人に話を聴いたが、いずれも、当時を振り返って、得難い貴重な経験をしたと語っていた。市町村職員にとって、県庁における実務経験は、普段の市町村行政を対象化し、客観的に評価する貴重な機会を提供する。また、市町村に派遣される県職員にとっても、地方自治の最前線を経験できるという利点をもつ。
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